コンテンツにスキップ
サージカルステンレスは錆びるのかを解説

サージカルステンレスは錆びる?金属アレルギーになりにくい理由も解説

金属アレルギーになりにくく、錆びにくいと人気のサージカルステンレス(316L)は、本当に錆びないのかと不信感を持っている方もいるでしょう。

結論から言うと、錆びにくいと言われるサージカルステンレスでも、取り扱い方やメンテナンス次第では錆びるケースもあります。

本記事では、サージカルステンレスが錆びる理由や金属アレルギーになりにくい理由、正しいメンテナンス方法をご紹介しますので、参考にしてください。

サージカルステンレス(316L)は錆びない金属?本当に錆びないのかを解説

サージカルステンレスは錆びないのか

サージカルステンレス(316L)は耐久性や耐腐食性・耐熱性が高く、70種類以上あるステンレスの中でも過酷な環境に強いとされています。

ステンレス自体、主成分の鉄にクロムを10.5%以上と炭素を1.2%以下、そこにニッケルなどの元素を添加し、耐腐食性を高めた合金です。

クロムが空気中の酸素と結合すると不動態皮膜という極薄い皮膜を形成し、多少の傷であれば皮膜を修復・再生するため錆びにくい状態を作ります。

不動態皮膜を修復・再生するサージカルステンレスは、本当に錆びないのか真相を解説していきましょう。

100%錆びないわけではない

サージカルステンレス(316L)は不働態被膜の働きを促進するモリブデンが含まれ、炭素量を減らすことでクロムとの反応を減らし腐食しにくくしています。

耐腐食性が高いサージカルステンレス(316L)でも塩素や傷には弱いため、表面を覆っている不動態皮膜が破れると一般的なステンレスと同様に錆びてしまうのです。

不動態皮膜は汚れの付着や傷がある、他の金属との接触があると修復・再生できなくなり、その場所から錆びが発生して広がってしまいます。

サージカルステンレスとは?ステンレスとの違いや特徴を解説

サージカルステンレス(316L)のアクセサリーが錆びる理由

サージカルステンレスの錆び

一般的なステンレスよりも錆びにくいと言われるサージカルステンレス(316L)は、アクセサリーの素材としてもよく使われています。

アクセサリーは直接肌に触れるものが多く、サージカルステンレスが錆びると衣服の汚れや金属アレルギーの原因にもなるため注意が必要です。

錆びにくいサージカルステンレスのアクセサリーが錆びる原因にはどのようなことがあるのか、錆びる理由を解説していきましょう。

汚れたまま放置している

アクセサリーは肌に触れるものが多く、使っているうちに汗や皮脂・化粧品などが付着して汚れとなり、蓄積されていきます。

汗や皮脂・化粧品などには塩素や酸・タンパク質・油分が含まれ、汚れたまま放置すると不動態皮膜が破壊され酸化するため、錆びる原因のひとつです。

特に塩素の多いプールや海水、酸性の温泉などでアクセサリーを着けたままにした、また汗をよくかいた後は外してメンテナンスしましょう。

錆びたアクセサリーと一緒に保管する

濡れた缶をステンレスの調理台などに数日置いただけで、缶と調理台の両方が錆びてしまった経験があるという方もいるのではないでしょうか。

同じように、少しでも錆びたアクセサリーと一緒にサージカルステンレス(316L)のアイテムを保管すると、もらい錆びという現象が起こってしまいます。

錆びがサージカルステンレスの表面に付着すると、不動態皮膜を維持できずに酸化して錆びるため、1つずつ小袋に入れるなどして保管しましょう。

長期間つけっぱなしにしている

お風呂や海・プールなどでもつけっぱなしにできるサージカルステンレス(316L)ですが、長期間だと汗や汚れが蓄積してしまいます。

先述した通り、汗や汚れの蓄積は不動態皮膜の破壊から酸化を起こし、錆びる原因になってしまうため注意が必要です。

また、長期間つけっぱなしにして酸化すると、金属の成分が溶け出して金属アレルギーを起こすこともあるので、違和感を感じたら外しましょう。

傷つけてしまった

サージカルステンレス(316L)は、プラチナやゴールド・シルバーなどの貴金属と比較して、傷つきにくい素材ですが細かい傷はついてしまいます。

傷ついたところに水分や汚れが付着すると、不動態皮膜の修復が行われる前に酸化して錆びる原因となるので、傷つけたら水分や汚れをすぐ拭き取りましょう。

傷がついたアクセサリーは短期間の使用に留め、使った後はしっかりメンテナンスをするなどの対処をして、錆びないようにしてください。

【素材別】トートバッグが汚れたときの正しいお手入れ方法を解説

サージカルステンレス(316L)が金属アレルギーになりにくい理由を解説

サージカルステンレスのピアスをつけた女性

金属アレルギーは、塩素や酸などによって溶け出した金属イオンから発生する金属ナノ粒子に免疫反応が起こり、かゆみや水ぶくれなどの症状が起こります。

アクセサリーをつけて起こるものは接触性のアレルギー皮膚炎で、一度発症すると特定の同じ金属に触れると過剰反応し、再度発症するものです。

サージカルステンレス(316L)は金属イオンが溶け出しにくいのですが、なぜ金属アレルギーになりにくいのかを詳しく解説していきます。

不動態皮膜がある

サージカルステンレス(316L)が金属アレルギーになりにくい最大の理由は、含有されているクロムの働きによる不動態皮膜です。

不動態皮膜があることで直接肌や空気と触れ合わず、汗などに含まれる塩素や酸など錆びる原因との接触や金属イオンの溶け出しを防げます。

万が一、不動態皮膜が破れても、酸素・水分とクロムが結合して何度でも修復・再生を繰り返すため、金属アレルギーになりにくいのです。

アレルゲンの原因を抑える加工

同じステンレスの中でも、サージカルステンレス(316L)は炭素を減らしてモリブデンを添加し、不動態皮膜を作るクロムの働きを強化しています。

サージカルステンレスは、金属アレルギーの原因物質であるニッケルやクロムを含んでいるものの、不動態皮膜による耐腐食性が高い素材です。

強化された不動態皮膜によって、体内へのアレルゲン放出が妨げられるため、サージカルステンレスは金属アレルギーになりにくいと言われています。

316L以外のサージカルステンレスに注意

サージカルステンレスは主に「SUS316L」という種類のステンレスを意味するものの、316L以外をサージカルステンレスとしている商品もあります。

耐腐食性や生体適合性に最も優れている316Lのほか、「SUS316」「SUS630」は医療器具・機器にも使われているため、安全性が高いステンレスです。

しかし、手すりやシンクなどにも使われる「SUS304」は316Lよりも耐食性が劣るため、長時間使うアクセサリーには向いていないので注意してください。

【30~40代女性人気】本革(レザー)トートバッグの失敗しない選び方

金属アレルギーになりにくい金属5選をご紹介

金属を使ったアクセサリー

金属アレルギーになるとかゆみや発赤・湿疹が起こるため、好みのアクセサリーをつけたくてもつけられなくなります。

サージカルステンレス(316L)のような、腐食しにくく錆びる心配がない素材のアイテムは、金属アレルギーになりにくいです。

ここからは、金属アレルギーになりにくいアクセサリーの素材をご紹介しますので、購入時の参考にしてください。

チタン

軽量で金属アレルギーになりにくい素材のTOPは、レアメタルの1種として知られるチタンです。

耐食性に優れ、軽量でアクセサリーにも多く使われる素材ですが、高硬度で加工が難しいため値段設定が高めになります。

また、純チタンではないチタン合金の場合は、混ぜられているチタン以外の金属によるアレルギーリスクがあるので注意しましょう。

プラチナ

金属アレルギーになりにくい素材の2位は、高価なジュエリーによく使われるプラチナです。

プラチナは耐久性もあり金属が溶け出しにくいものの、柔らかいのでアクセサリーに使う場合は他の金属が混ぜられ、pt900や950などと表記されています。

混ぜられる金属にはニッケルやパラジウムなど金属アレルギーの原因物質もあるため、自分のアレルゲン物質を把握しておくことも大切です。

ゴールド

金属アレルギーになりにくいアクセサリー素材の第3位は、高級感があり人気の高いゴールドです。

しかし、アクセサリーにはK14やK18といった合金や金メッキが使われるため、過敏な方だとアレルギーが出る恐れもあります。

金メッキのアクセサリーを選ぶ際は、地金が出にくい厚みのあるゴールドフィルド(GF)と書かれたものがおすすめです。

サージカルステンレス

本記事内で解説している通り、サージカルステンレス(316L)も金属アレルギーになりにくい第4位のアクセサリー素材です。

純チタンやプラチナ・ゴールドと比較してもアレルギーの原因となる金属の溶け出しが少なく、また比較的お値段も手ごろで手に取りやすいでしょう。

ピアスの場合、ポストのみサージカルステンレスを使用しているものも多いのですが、耳にあたる飾りの部分やキャッチの素材にも注目してください。

ジルコニウム

金属アレルギーになりにくいアクセサリー素材の第5位は、表面の皮膜による発色が美しいジルコニウムです。

ジルコニウムもサージカルステンレスと同様に、酸素と結合すると不動態皮膜を生成し、表面処理を行うとシャボン玉のような色が現れます。

プラチナやゴールドなど貴金属と比較すると値段は安いですが、サージカルステンレスよりも高価でプチプラでは買えません。

【30代人気】レディースのトートバッグおすすめ15選!

サージカルステンレス(316L)を錆びさせないメンテナンス方法

サージカルステンレスの指輪をつけた女性

サージカルステンレス(316L)のアクセサリーは、定期的に正しいメンテナンスをすると錆びることなく使い続けられます。

特に開けた穴に差し込むピアスや細かい装飾があるものは、メンテナンスしないと金属アレルギー発症のきっかけになる可能性も捨てきれません。

特別なお手入れをする必要はありませんが、サージカルステンレスを錆びさせないためにも、ぜひメンテナンスをしてみてください。

使った後は柔らかい布で拭く

汗をよくかく夏はもちろん他の季節でも汗をかきますし、大気中の埃や化粧品・日焼け止めなどで、アクセサリーには汚れが蓄積されているものです。

汗や汚れを放置したままにすると、サージカルステンレス(316L)を錆びから守る不動態皮膜が破られ、金属アレルギーの原因物質が溶け出します。

そのため、使った後は研磨剤が入っていない乾いた柔らかい布(メガネ拭きなど)で優しく拭き取り、清潔な場所で保管してください。

汚れが溜まったら中性洗剤で洗う

サージカルステンレス(316L)アクセサリーのくすみや黒ずみが気になるときは、中性洗剤を薄めたぬるま湯で漬け置き洗いしましょう。

汚れが浮いてきたり15~20分ほど経ったら、柔らかい歯ブラシなどでこするか、振り洗いして汚れを落として水ですすぎ、乾いた布で拭きあげます。

塩素や酸に弱いため、塩素系や酸性の洗剤は使わず、また傷をつけないためにもメラミンスポンジや固いたわしは使わないでください。

【特集】大きめで軽いおしゃれなトートバッグおすすめ11選

サージカルステンレスは錆びるのか、金属アレルギーになりにくい理由まとめ

今回は、サージカルステンレス(316L)が錆びるのは本当か、金属アレルギーになりにくい理由やメンテナンス方法を解説しました。

基本的に錆びにくい素材ではあるものの、扱い方や保管方法によっては錆びるため、錆びを防ぐ為にも定期的なメンテナンスが必要です。

サージカルステンレスは値段も手頃な素材で、金属アレルギーの方でも安心して付けられるので、ぜひ一度試してみてください。

トートリー公式サイト

前の投稿 次の投稿